FAIT(ファイト)ってどういう意味?

Famlies In Transition、「移行期の家族」を表しています。FAITプログラムでは、離婚を、家族の移行期、言い換えると、新しい家族のカタチをつくる時期、ととらえています。離婚を経験する家族メンバーそれぞれが、新しい家族のカタチに適応していけるよう応援したい、という思いが込められています。

FAITプログラムの目的は?

FAITプログラムの目的は2つあります。

1つ目は、離婚が子どもに与える影響や離婚にまつわる子どもの不安などの感情について理解を深め、親が適切に子どもに対応できるようになること、そして親子関係をよりよくすることです。

2つ目は、子どもの不安や抑うつ、攻撃性を緩め、問題行動を予防し、子どもの学校や社会での適応能力を向上させ、子どもの健康的な将来を保証することです。

具体的には何をするの?

FAITプログラムは、10人前後のグループの中で離婚後の対応について学んでいく、参加型(ワークショップ型)のプログラムです。プログラムの進行は、資格を持ったファシリテーターが行います。

離婚後に生じやすい問題やその対応についてファシリテーターから説明したり、参加者の皆様から体験談を話してもらったり、DVDを見たりしながら、離婚後の新しい家族のカタチを考えていきます。
安心できる環境の中で、自分の体験を話したり、他の人の体験を聞くことを通して、離婚という経験を様々な角度からとらえ直すことができるようになっていきます。

グループでは、秘密厳守、発言は任意というルールを徹底していますので、話したくないことはお話にならなくて結構です。

どんな人が対象なの?

未成年の子どもがいて離婚をしたお父さん・お母さん、親の離婚を経験した5歳〜18歳頃の子どもが対象です。親を対象としたプログラム、子ども(5歳〜12歳頃まで)を対象としたプログラム、思春期(12歳〜18歳頃まで)を対象としたプログラムがあります。

それぞれのプログラムでは、次のようなことを目的にしています。

親向けのプログラム:親の離婚にまつわる子どもの気持ちを理解し、適切に対処すること。離婚後の親子関係を強化すること。
子ども向けのプログラム:自分の気持ちを理解し、離婚についての誤った考えを変えること。離婚にまつわる感情を適切な形で表現すること。
思春期向けのプログラム:離婚に対する感情を理解し、怒りに対処すること。喪失への対処の仕方、気持ちの伝え方、問題の解決方法を学ぶこと。

FAITプログラムは誰がつくったの?

1990年代に、米国ケンタッキー州にて、ルイヴィル大学Drブラウン教授を中心に開発されました。米国では、FITプログラムと呼ばれており、現在は離婚成立のための要件として、司法過程に組み込まれています。

日本では、2010年〜福丸由佳(白梅学園大学教授)が中心となってFAIT-Japan研究会を立ち上げ、日本語翻訳版を導入しました。
現在は福丸由佳が代表として、FAIT-Japan研究会の実践、研究などを進めています。

どうやって日本に導入されたの?

2008年、福丸由佳(白梅学園大学)がケンタッキー州にてFITプログラムに出会いました。
そこでトレーニングを受けてファシリテーターの資格を取得し、プログラム開発者であるDrブラウン教授からプログラムの翻訳と、プログラムを日本の状況に合わせて改訂する許可を得ました。
その際に、日本でのプログラム名をFAITプログラムとすることにしました。
2010年、米国版FITプログラムを日本に導入するために、FAIT-Japan研究会を発足しました。
FAIT-Japan研究会では、プログラムの翻訳から始まり、プログラム開発者であるDrブラウン教授を招いてのワークショップや、日本でのFAITプログラムの実践、研究活動を行っています。

どんな人が活動しているの?

現在、FAIT-Japan研究会は以下の6名のメンバー+3名のアドバイザーで活動しています。

        

FAIT-Japan研究会代表
福丸由佳(白梅学園大学)  公認心理師・臨床心理士・家族心理士

FAIT-Japan研究会メンバー
大瀧玲子(東京都立大学)  公認心理師・臨床心理士・家族心理士
大西真美(杏林大学)    公認心理師・臨床心理士・家族心理士
曽山いづみ(神戸女子大学) 公認心理師・臨床心理士
山田哲子(立教大学)    公認心理師・臨床心理士・家族心理士
本田麻希子(朝霞市議会)  公認心理師・臨床心理士

アドバイザー
小田切紀子(東京国際大学) 公認心理師・臨床心理士
青木聡(大正大学)     公認心理師・臨床心理士
藤田博康(駒澤大学)    公認心理師・臨床心理士・家族心理士

私たちFAIT-Japan研究会のメンバーは、それぞれが、地域、医療、教育など様々な場で活動し、その中で、離婚を含め、家族や子どもたちに関わる臨床実践と研究に携わっています。
FAITプログラムが、皆様の新しい家族のカタチをよりよいものにしていくお役に立てるよう願っています。